ラウンド(0) 事前確率
「結婚制度が廃止されれば、それに代わり、個人単位の保障になる」という「クィア馬鹿」がほざいている預言って、いったいどれくらいの信憑性があるのだろうか。それをどうやって検証できるのだろうか。
ここで注意すべきは「結婚制度が廃止される」という仮定にあるだろう。
ならばこう質問したら「クィア馬鹿」はどう答えてくれるのか──「1年後に日本で結婚制度が廃止される確率はどれくらいなのか」
直感でいい。その仮定を支える尤もらしい数字をとりあえず暫定的に言ってほしい。0.1? 0.2? 0.3?……もしかして0.5以上とか?
ラウンド (1) 1年後
残念でした。日本では結婚制度は廃止されませんでした。
「1年後に日本では結婚制度が廃止されなかった」というこの事実を元に、では「2年後に日本で結婚制度が廃止される確率」を教えてください──こう質問したら「クィア馬鹿」はどう答えてくれるのか。
もちろん、ラウンド(0)で設定した初期値としての確率は、「1年後に日本では結婚制度が廃止されなかった」という事実によって修正されなければならない。「1年後に日本では結婚制度が廃止されなかった」という結果が「次のステップ」に反映されなければならない。
問題は、「1年後に日本では結婚制度が廃止されなかった」という結果によって、ラウンド(0)で設定した「結婚制度が廃止される確率」は、どのように変化するのか、だ。「クィア馬鹿」はこの質問にどう答えてくれるのか。
その場合、もし前回より「2年後に日本で結婚制度が廃止される確率」が高くなっていたとしたら、それはなぜなのか? その理由も示してもらいたい。
ラウンド(2) 3年後
残念でした。日本では結婚制度は廃止されませんでした。
- ラウンド(0)で設定した「結婚制度が廃止される確率」は「1年後に日本では結婚制度が廃止されなかった」という結果=事実によって修正された。
- ラウンド (1)で設定した「結婚制度が廃止される確率」は「2年後に日本では結婚制度が廃止されなかった」という結果=事実によって修正される必要がある。
したがって今回ラウンド(2)で設定する「結婚制度が廃止される確率」は、1.と2.の両方の結果が反映されなければならない。
つまり、「1年後に日本では結婚制度が廃止されなかった」という結果を受けた条件の元に「2年後に日本で結婚制度が廃止される確率」を設定したのだが、それでも「3年後に日本では結婚制度が廃止されなかった」という結果=事実を重く受け止めなければならない。
それらを踏まえ、では「5年後に日本で結婚制度が廃止される確率」を教えてください。
ラウンド(3)
ラウンド(4)
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ラウンド(N)
残念でした。日本では結婚制度は廃止されませんでした。
ラウンド(0)からラウンド(N-1)の結果を踏まえ、「N年後に日本で結婚制度が廃止される確率」を教えてください。とくに知りたいのは、その確率は、ラウンド(0)の設定と比べて、どのように変化したのか、である。上向き(確率上昇)なのか、下向き(確率下降)なのか、ジグザグした動きなのか、それとも全く変化しないのか?
もしこれまでの結果を踏まえながらも、それでも前回より「N年後に日本で結婚制度が廃止される確率」が高くなっていたとしたら、それはなぜなのか?
もし「1年後、2年後…N年後に結婚制度が廃止される確率」が上向き(確率上昇)に変化するのならば、ラウンド(0)からラウンド(N-1)の結果以上に、何か大きな影響のある出来事が発生した(例えば日本の主要政党が結婚制度廃止の法案を作成したり、外国で実際に結婚制度が廃止された)という〈情報〉に基づくはずだ。他に何かあるのだろうか?
もし「結婚制度が廃止される確率」が変化しないのならば、それは前回、前々回……つまり「N年前、N-1年前……3年前、2年前、1年前に試算した結婚制度が廃止される確率」の結果は、いったい何だったのだろう。
「クィア馬鹿」は、これまで何に基づいて「結婚制度が廃止されれば」と仮定したのか。そして今後も「結婚制度が廃止されれば、それに代わり、個人単位の保障になる」と主張するのならば、「N年後に結婚制度が廃止される確率」を、その根拠とともに指し示すべきだ。
ラウンド(N+1) 事後確率
「結婚制度が廃止されれば、それに代わり、個人単位の保障になる」という「クィア馬鹿の預言」は、最初にそれを言ってから2023年の現在、どれくらいの信憑性があるのか?
これは、結婚制度が廃止されない限り、その信憑性はまったく不明だということだ。こんな著しく低い確率を仮定=条件に敷くことは、”もし、宝くじが当たったら何でも欲しいものを買ってあげるよ”という「約束」と同じくらい実現性のないものだ。
宝くじの当選確率と同じくらいならば、少なくとも「私たちが生存中」に「結婚制度が廃止される確率」は、限りなく0に近いだろう。したがって「それに代わり、個人単位の保障になる」を検証することは不可能である。つまり「「結婚制度が廃止されれば、それに代わり、個人単位の保障になる」という主張は「今の私たち」にとって何の意味もなさない。
現時点において「1年後、2年後…N年後に結婚制度が廃止される確率」が著しく低い状態であるにもかかわらず(その確率は、宝くじの当選確率と同じくほぼ0である)、それを仮定にして「Xになる」と預言=約束する、だけではなく「その預言に他人を拘束させる」のは、はっきり言って詐欺だろう、ペテン師のやることだろう。ふざけるな。