The Reverberator

EFFORTLESS FRENCH

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

理不尽な搾取がまかり通っている大学、そこで行われるクィア理論講座それ自体の意味、そしてピンクウォッシュ ~ 理論の信憑性の問題は「研究不正」の問題と共有できるのではないか──ここから、これを端緒に、その議論を深めるために

2013年3月末、突然、非常勤講師を5年で雇い止めにするという就業規程が非常勤講師らのもとに送られてきた。そうでなくとも首都圏大学非常勤講師組合などの調査によると、非常勤講師の平均年収は300万円そこそこで、そのうち250万円未満が4割もいるといい、彼…

「うちの大学はグローバルでダイバーシティで今度はクィア・スタディーズもやるよ!」

「うちの大学はグローバルでダイバーシティで今度はクィア・スタディーズもやるよ!」 「でも君の大学、非常勤講師の雇止めや語学インストラクターの使い捨てが問題になっているよね」 「でも、それとこれとは別だよね」 「別じゃない、それは大学で起きてい…

クィアはクィアを「クィアとして」批判できるのか、しないのか、させないのか ~ 搾取を土台とした大学で平然と既得権側に回りつつ、それを糊塗するかのような「クィア・スタディーズ」が開催されようとするまさにその時に、”Queerwashing”として

4261人(2012年度)もの非常勤教員を抱える早大は「本学の財政事情において無期雇用転換を受け入れる余裕がない」と、同月1日付で非常勤教員の契約を最長5年とする就業規則の制定を強行した。その手口は、大学がロックアウトされる入試期間中を狙って非…

大学教員自身が「クィアする」とき、学歴エリートを「クィアする」とき、そして「クィア・ポリティックス」として ~ 非常勤講師たちへの搾取の上に成り立つ大学の身分制度自体を問うこと、それに加担するのではなく「その特権」を問うこと、問い続けること 

早稲田大学には7つの事業所があるようなのですが、それぞれの事業所の代表の氏名が書かれていて、それを信任してくれということなんです。そして不信任の場合のみ郵送で投票用紙を送れとあり、しかもその郵送先は選挙管理委員会ではなく、専任の教員組合内…

搾取を土台とした大学で──搾取する側に回りつつ、いかにしてその批判を回避させるのか ~ 「クィアポリティクス」から見えてくるエリート処世術

“搾取”を土台とした大学――そこを出た人たちが中核をなしていく社会は、政治、経済、文化、科学、教育、家庭など社会のありとあらゆる分野で、搾取を「再生産」していき、格差を推し進めることになりはしないか。大学は、未来の社会の鏡であるがゆえに、心配…

”我々は安定を望まない、それがクィアだ”──ただし大学教員は特権的例外とする ~ 「クィア・ポリティックス」そのものの両義性

博士号を取得し、専任の教授と同じように講義しても、年収250万円ほどで研究費・出張費も自腹、社会保障もない劣悪な待遇で暮らす人たち。それが大学の非常勤講師だ。その実態を探るべく当事者を取材し、2010年度早稲田大学文学部の年間トータル講義…