年収250万…早稲田大の非常勤講師らが、大学を刑事告発 突然の雇い止めの実態
2013年3月末、突然、非常勤講師を5年で雇い止めにするという就業規程が非常勤講師らのもとに送られてきた。そうでなくとも首都圏大学非常勤講師組合などの調査によると、非常勤講師の平均年収は300万円そこそこで、そのうち250万円未満が4割もいるといい、彼らにとっては死活問題だ。
一方、専任教員の平均年収は、組合との団体交渉の場で副総長が約1500万円と明らかにしているが、実際には1400万円を切っていると専任教員たちは話している。授業計画の作成・実施、試験問題作成、採点、成績評価など、専任と非常勤の仕事内容に大差ない。
早大の教員のうち非常勤講師は59%(12年度末)で、授業の半分近くが非正規の教員によって行われている。つまり多数派の教員(ほとんどは博士)がワーキングプアか、それに近い状態に置かれているのだ。
求人件名 早稲田大学文学学術院専任教員の公募(クィア・スタディーズ)
勤務形態 常勤(任期なし)
着任時期 2016年 04月 01日
備考 早稲田大学は、国際化、男女共同参画などダイバーシティの実現を推進しております。
https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=1&id=D115040216&ln_jor=0
私立大学の初年度納付金は、平均約140万円という巨額に上っている。不況や格差社会の進行により親の収入が減り続ける中、多くの学生が苛酷な負担に喘いでいるのだ。
一方、学生生活を支えるための日本の奨学金は高利子の「教育ローン」にすぎず、延滞金制度や苛酷な取り立てにより、“公営の闇金”とも呼ぶべき貧困ビジネスと化している。
卒業後、非正規や低賃金の職にしか就けなかった人は、奨学金を返したくても返せず、雪だるま式に増える借金と精神的な負担に打ちのめされている。
教育や研究を通じて学生・院生に輝かしい未来を保障する機関ではなく、大学は貧困を生み出し貧困に寄生する、文字通りの「ブラック大学」となろうとしているのではないのか 。
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