「東大が無期転換を阻害している」労組、非正規教職員8000人の雇用危機訴える
労組が問題視しているのはそれだけではない。東大は労契法改正後の2012年11月、この東大ルールを変更した。この際、パートタイムの教職員の再雇用について、クーリング(空白)期間を3カ月から6カ月に変更している。
クーリングとは、再雇用までの期間のこと。改正労契法では6カ月あけて雇用すれば、それまでの雇用年月をリセットできるとされている。労組は、これまでの規定だと無期転換しなければならなかったため、東大が無期転換させずに長期間雇える体制を整えるため、ルールを改正したと考えている。
実際、東大の会議資料では、変更の理由について「労働契約法の改正に伴い」との記載がある。しかし、労働者に不利益な変更だったのにもかかわらず、労使合意はなかったという。
労組によると、東大は無期転換の手段として、試験に受かればフルタイムの職員として雇うことを提案しているという。しかし、労組は労契法の趣旨に反することや、パートタイムで働かざるを得ない職員に対する配慮のなさを指摘している。
あなたがたの富は朽ち果て、衣服には虫が付き、金銀もさびてしまいます。このさびこそが、あなたがたの罪の証拠となり、あなたがたの肉を火のように食い尽くすでしょう。あなたがたは、この終わりの時のために宝を蓄えたのでした。御覧なさい。畑を刈り入れた労働者にあなたがたが支払わなかった賃金が、叫び声をあげています。刈り入れをした人々の叫びは、万軍の主の耳に達しました。
ヤコブの手紙4.2-5 新共同訳聖書
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