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これで…ちゃんと正しい方向にむかっているのか? ~ 大学において適切な柔軟性を発揮できない非正規労働者は試験によって選抜され、排除されなければならないのか? 社会的なリソースと権利とのより平等な再分配の追求を最初から目指すことなく、既存の不平等な体制内部での権利でさえも反故にしているのではないか? 「こんなことをやっている/やってきた」大学関係者の指導の下に行われるクィア・ポリティクスとはいったい何か? どんな権能で大学関係者は私たちのあり方や私たちの社会活動を評価することができるのか…これで? 

東京大学が非常勤職員8000人大半の雇い止めを強行か  Yahoo! ニュース 9/5

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東大の非常勤の雇用形態は2種類ある。「特定有期雇用教職員」は特任教員や看護師・医療技術職員など約2700人。「短時間勤務有期雇用教職員」は、パートタイムワーカーで約5300人もいる。

2013年4月に施行された改正労働契約法は、5年以上同じ職場で働く非正規労働者が希望した場合、無期雇用に転換することを定めている。組合側は、2018年4月以降、希望者全員の無期雇用転換を求めているが、大学は契約期間の更新を上限5年とする「東大ルール」を法律よりも優先。法人化前から働く480人など一部を除いて雇い止めする方針だ。 

 

 

東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕 Yahoo! ニュース 9/7

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さらに、「東大ルール」には「6か月のクーリング期間の適用」が記載されている。5年働いたパート教職員は、6か月の休業期間を経た後なら、再び上限5年で雇用することを可能、としている。

  が、改正労働契約法では、一度6か月もの休業期間を経ると、「雇用継続の期待権」がリセットされてしまい、無期転換の機会を失ってしまうことが定められている。5年働いても、その後半年間の休みをとれば、勤務期間がまた「ゼロ」からとなり、いつまでも無期雇用には至らなくなってしまう。

  文書では、これがさも合理的であるかのように記載されているが、無期転換(正規雇用化)を阻止するためにクーリングすることは違法、または脱法行為にあたるとさえいわれている。 

 

 

団交の場で、大学側は2018年4月から「職域限定雇用職員」という、フルタイムで定年まで働ける、新たな非正規教職員制度を作ると説明した。契約期間が満了しても引き続き働きたい人は、フルタイムの人もパートの人も、毎年秋に実施される試験を受け、それに合格すれば、非常勤ながら定年まで働くことが可能になる制度だという。

 

大学側は「この試験に合格すれば無期雇用になるので、試験を受けてほしい」と、誰でも受けられることを強調するが、組合側が「試験に受からなかった人はどうなるのか」と質すと、大学側は「試験に落ちた人を保障する必要はない」と回答。つまり、試験で落としてしまえば、その職員を再度雇う必要はない、ということのようだ。

 試験に受からない場合は「その人の責任」で、不合格によって雇用が途切れるのは大学側の責任ではない、という理屈をつくるための制度だ、と組合側は受け取っているという。

 

 

東北大、3200人を一斉「雇い止め」に職員が反対運動…大学側が一方的に規則変更 Business Journal 2016.12.27

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問題の背景には、13年4月1日に施行された改正労働契約法がある。最大のポイントは、施行日以降に締結した有期契約で、更新を繰り返して契約年数が通算5年に達した場合、労働者が無期契約を申し込めば、その時点で使用者が申し込みを承諾したものとみなされることだ。
細切れに契約を更新する有期雇用労働者は全国に1200万人と推計されており、彼らの雇用を安定化させることを目的とした法改正である。

 しかし、5年たてば無期雇用契約に変更する権利を得るだけで、給与その他の条件は直前のままだ。つまり、給与などの条件が悪いまま雇用だけが確保されるという側面もあるため、“第二正社員”的な新たな身分をつくる可能性もある。

 法改正によって多くの混乱も生じた。改正法施行前に契約を繰り返して通算5年を超えていた非正規社員たちが、全員正社員になれるかのように誤解する向きもあった。その一方で、“正社員のような”地位の労働者が増えることを防ぐために、改正法が施行される前に、契約の最長期間を5年以内とする就業規則を定めてしまえばいいという考え方をする雇用者も現れた。

今回の東北大は、この考えに基づいた行動をとっている。非正規職員が無期契約に転換できないように、法の趣旨とは真逆に5年で雇い止めにする就業規則を制定したことが騒動の原因なのだ。 

 

 

早稲田大学で起こった「非常勤講師雇い止め紛争」その内幕 現代ビジネス 2017/07/26

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 闘争のなかでは、「専任教授」と「非常勤講師」間の驚くほどの格差も明らかになっていった。これこそまさに大学側が隠したかったものだろう。非常勤講師らもうすうすは知っていたものの、まさかここまでのものだったとは、と驚きを隠せなかったという。

非常勤講師組合が2007年に発表した調査結果によると、非常勤講師の平均年齢は45.3歳、平均年収は306万円。44%の人が年収250万円以下だった。

一方早稲田の専任教授の年収は1350万円。専任教授の就業規程によれば、義務とされている授業のコマ数は週4コマである。

非常勤講師が4コマの授業を担当した場合、1コマ約3万円なので、年収は144万円。同じように大学院を卒業して、場合によっては非常勤講師の側は博士号をもっており、専任教員はもっていないにもかかわらず、その年収には10倍近い開きが生じるのだ。

 

  

 これで……ちゃんと正しい方向にむかっているのか? 大学において適切な柔軟性を発揮できない非正規労働者は試験によって選抜され、排除されなければならないのか? 大学ではそもそも社会的なリソースと権利とのより平等で公正な再分配の追求を最初から目指すことなく、既存の不平等な体制内部での権利でさえも自分たちの都合=大学の都合で平然と反故にしているのではないか? 大学の非常勤職員をいったいなんだと思っているのだ? 同じ大学で働いているのに、その人たちのことを同じ人間だと思っていないんじゃないのか? 自分たちの「研究する自由だけ」を追求できれば、それでいいのか? このような搾取的な関係性を承認するよう非正規労働者のような社会的に立場の弱い人たちに高圧的に迫っているのは、「この大学」ではないか? なぜこんなことがまかり通ってきたのだ? 2009年からすでに「この大学」で雇い止めの問題が訴えられてきたのに、どうしてそのようなことが無視されてきたのか? 問題を設定するのは誰なのか? なぜこのようなことが知らされてこなかったのか? 「こんなことをやっている/やってきた」大学関係者の指導の下に行われるクィア・ポリティクスにいったいどんな信憑性があるのか? これは、ネオリベラルな体制のもたらす不安定さによって生存を脅かされる人々から切り離されてしまっている「その」クィア理論そのものの信憑性の問題、「その」クィア・スタディーズそのもののあり方の問題なのではないか? いったいどんな権能でどこから与えられた権能で「その」大学関係者は私たちのあり方や私たちの社会活動を評価することができるのか……これで? 「大学はこのままでいい」のか? これで?

  

 

あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太には気づかないのか。兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。

 

 

マタイによる福音書 7.3-5 新共同訳聖書

 

 

【関連】

非常勤職員の雇い止めが「普通の風景」になっている大学、何が/誰が大学にとって優先されるべきなのかという価値判断によって切り捨てられる大学の非正規職員たち、そして労働者としての当たり前の権利を「試験」によって勝ち取らせ、それを寛容さのアピールとして用いる大学当局の傲慢さ ~ 東京大学の非常勤職員8000人の雇い止めはネオリベラリズムの勝利なのか? そのような大学に基盤を置くクィア・スタディーズとはいったい何なのか? 「その」クィア・ポリティクスは詐欺だったのか?

東大「5年で雇い止め」、組合反発 有期から無期へ「ルール」発動控え 朝日新聞 2017年8月24日 

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有期で5年を超えて働くと、「無期契約」への転換を求めることができる労働契約法の「5年ルール」の発動を来年4月に控え、無期転換を阻止する動きだと組合側は猛反発している。 

 

 

東京大学が非常勤職員8000人大半の雇い止めを強行か  Yahoo! ニュース 9/5

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2013年4月に施行された改正労働契約法は、5年以上同じ職場で働く非正規労働者が希望した場合、無期雇用に転換することを定めている。組合側は、2018年4月以降、希望者全員の無期雇用転換を求めているが、大学は契約期間の更新を上限5年とする「東大ルール」を法律よりも優先。法人化前から働く480人など一部を除いて雇い止めする方針だ。

  また大学は、短時間勤務の教職員は6カ月のクーリング期間をおけば上限5年での再雇用が可能としている。しかし、無期転換を避けるためのクーリングは違法または脱法行為とされる。しかも以前は3カ月だったクーリング期間を、改正法の成立後、雇用期間が「リセット」される6カ月に変更した。これは労働条件の不利益変更だが、労基署に届け出ていない疑いがあり、非常勤講師組合は労働基準法違反で刑事告発を検討している。 

 

東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕 Yahoo! ニュース 9/7

headlines.yahoo.co.jp

 

団交の場で、大学側は2018年4月から「職域限定雇用職員」という、フルタイムで定年まで働ける、新たな非正規教職員制度を作ると説明した。契約期間が満了しても引き続き働きたい人は、フルタイムの人もパートの人も、毎年秋に実施される試験を受け、それに合格すれば、非常勤ながら定年まで働くことが可能になる制度だという。

 


 大学側は「この試験に合格すれば無期雇用になるので、試験を受けてほしい」と、誰でも受けられることを強調するが、組合側が「試験に受からなかった人はどうなるのか」と質すと、大学側は「試験に落ちた人を保障する必要はない」と回答。つまり、試験で落としてしまえば、その職員を再度雇う必要はない、ということのようだ。

  試験に受からない場合は「その人の責任」で、不合格によって雇用が途切れるのは大学側の責任ではない、という理屈をつくるための制度だ、と組合側は受け取っているという。

 


大学側は、団交の場で「この提案は決して法律の趣旨には矛盾していない」と言い張り、「東京大学の業務の特性上致し方ない。部局ごとの事情もあり統一した対応は困難」と主張した。 

 

  

 

あなたたちは人に自分の正しさを見せびらかすが、神はあなたたちの心をご存じである。人に尊ばれるものは、神には忌み嫌われるものだ。律法と預言者は、ヨハネの時までである。

 

 

ルカのよる福音書 16-15-16 新共同訳聖書 

 

 

  

 

【関連】

ジュディス・バトラーの涙 ~ 権力の巧妙な策略による大学の雇い止め問題、解放を促すはずのまさにその大学で起きている欺きの正当化と弱き者の排除、「ピンクウォッシュ化」するクィア・ポリティクス

ジュディス・バトラーの涙 

 

東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕 現代ビジネス 2017.08.17

gendai.ismedia.jp

 

団交の場で、大学側は2018年4月から「職域限定雇用職員」という、フルタイムで定年まで働ける、新たな非正規教職員制度を作ると説明した。契約期間が満了しても引き続き働きたい人は、フルタイムの人もパートの人も、毎年秋に実施される試験を受け、それに合格すれば、非常勤ながら定年まで働くことが可能になる制度だという。

しかし、この「職域限定雇用職員」とは、専門的かつ高度な仕事をする教職員であり、予算の裏付けがある部署に限っての募集となる。現時点では対象の部署は明らかにされず、予算の裏付けがないとされた職場で働く人は、そもそも対象外となる可能性が高そうだ。

 

大学側は「この試験に合格すれば無期雇用になるので、試験を受けてほしい」と、誰でも受けられることを強調するが、組合側が「試験に受からなかった人はどうなるのか」と質すと、大学側は「試験に落ちた人を保障する必要はない」と回答。つまり、試験で落としてしまえば、その職員を再度雇う必要はない、ということのようだ。

試験に受からない場合は「その人の責任」で、不合格によって雇用が途切れるのは大学側の責任ではない、という理屈をつくるための制度だ、と組合側は受け取っているという。 

 

 

雇止めについて教えてください。大学で臨時職員をしています。  Yahoo! 知恵袋 2012/6/9

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

  

3年目以降の雇用はないと言いきっていた大学が、最近正規職員の募集をしました。募集はたった1名、大変狭き門です。
大学で1年以上勤めていたら誰でも受験資格があるということと、雇止めで契約が満了する臨時職員さんが他にもたくさんいるので、倍率的にかなり厳しいものになると思われます。
大学職員の内、半数近くが臨時職員です。

何年か前に、一度契約満了で辞めた臨時職員が、3ヶ月後にもう一度臨時職員として再雇用されたことがあり、前例があることから、何とか辞めずに延長措置をとってもらえないかという声がたくさんありました。実際、このようなことは可能なのでしょうか?
今回の募集は、試験を課すことで、大学側が本当に雇うかどうかわからない1名以外を落として解雇しやすくしているように思えてなりません。(何だかあなたは落ちたのだから辞めなさいといわれているようです。) 

 

 

ジュディス・バトラーの怒り 

あなたの名は『主』。 

御力をもって彼らの武力をたたきつぶし、

憤りをもって彼らの権勢を打ち砕いてください。

彼らは聖所を冒涜し、

栄光の主が宿る幕屋を汚し、

祭壇の角を剣で打ち落とそうとねらっています。

彼らの傲慢さをご覧になり、

頭上に御怒りをお下しください。

このやもめの腕に

企てを成し遂げる力をお与えください。

この欺きの唇によって、

家来ともどもその側近をお打ちください。

女の腕をもって

彼らの傲慢さを打ち砕いてください。

あなたの力は人の数によるものではなく、

あなたの主権は強者に頼るものでもありません。

あなたは虐げられた者の神、

小さき者の助け主、

弱き者の支え、

見捨てられた者の守り、

希望を失った者の救い主。

 

ユディト記 9.8-11 新共同訳聖書 

 

 

【関連】

「クィア・スタディーズ」とはいったい何だったのか? 特定の高学歴者たちの研究する自由だけを約束し、その一方で「こんな」ネオリベラルな価値観を温存させ、「このような」階級的ヒエラルキーと結びついた格差を生み出している状況はいったい何なのか? 非正規雇用者に対してまるで「だまし討ち」のようなこんな馬鹿にしたルール=規範を強いて雇い止めを行う教育機関/研究機関としての大学の「この惨状」はいったい何なのか? 東京大学非常勤職員の雇い止め問題から見えるのは高学歴者中心主義のクィア・ノーマティヴィティ・ポリティクス…

東大、若手研究者300人 「任期なし教員」に転換 日刊工業新聞 2017/8/15  

www.nikkan.co.jp

 

 東京大学は2021年度までに、任期付き雇用の若手研究者300人を任期なし雇用の教員に転換する。外部資金獲得による間接経費などを使い、国の運営費交付金に頼らない雇用とする。16年度の東大の40歳未満の任期なし教員数は383人。若手の雇用安定を財源多様化で実現することで、大学の研究開発力を一層強化する。 

 

 

「東大が無期転換を阻害している」労組、非正規教職員8000人の雇用危機訴える 弁護士ドットコム 2017年08月23日

www.bengo4.com

 

労組が問題視しているのはそれだけではない。東大は労契法改正後の2012年11月、この東大ルールを変更した。この際、パートタイムの教職員の再雇用について、クーリング(空白)期間を3カ月から6カ月に変更している。

クーリングとは、再雇用までの期間のこと。改正労契法では6カ月あけて雇用すれば、それまでの雇用年月をリセットできるとされている。労組は、これまでの規定だと無期転換しなければならなかったため、東大が無期転換させずに長期間雇える体制を整えるため、ルールを改正したと考えている。

 

労組によると、東大は無期転換の手段として、試験に受かればフルタイムの職員として雇うことを提案しているという。しかし、労組は労契法の趣旨に反することや、パートタイムで働かざるを得ない職員に対する配慮のなさを指摘している。

 

 

東京大学が改正労契法無視/独自ルールを優先/有期教職員を5年で雇い止め 機関紙連合通信社

www.rengo-news-agency.com

 

「86ある国立大学のうち、無期転換ルールを定めたのは6大学だけ。他の大学も東大が無期転換をどう扱うかを注視している。東大の対応に全国の大学で働くパート労働者の運命がかかっていると言っても過言ではない」 

 

 

 クィア・スタディーズ」とはいったい何だったのか? 特定の高学歴者たちの研究する自由だけを約束し、その一方で「こんな」ネオリベラルな価値観を温存させ、「このような」階級的ヒエラルキーと結びついた格差を生み出している状況はいったい何なのか? 非正規雇用者に対して、まるで「だまし討ち」のようなこんな馬鹿にしたルール=規範を強いて雇い止めを行う教育機関/研究機関としての大学の「この惨状」はいったい何なのか? 

東京大学非常勤職員の雇い止め問題から見えるのは高学歴者中心主義のクィア・ノーマティヴィティ・ポリティクスの悪夢、高学歴者優先主義のクィア・ノーマティヴィティ・ポリティクスの地獄、そして何よりも高学歴者の事情に配慮し/配慮させるクィア・ノーマティヴィティ・ポリティクスという名のピンクウォッシュに他ならない。

 

 

貧しい人が虐げられていることや、不正な裁き、正義の欠如などがこの国にあるのを見ても、驚くな。なぜなら、

身分の高い者が、身分の高い者をかばい

更に身分の高い者が両者をかばうのだから。

 

 

コヘレトの言葉 4.7 新共同訳聖書 

 

 

【関連】

ようこそ、ネオリベラリズムと親和的な大学へ ~ クィア・ポリティクスと偽りのネオリベ批判、バカの一つ覚えのように「ノーマティヴィティ」だとか言って偉ぶっているクィアという偽預言者たちの「ピンクウォッシング」

 『われ彼を知る』と言ひて其の誡命を守らぬ者は僞者にして眞理その衷になし

 ── ヨハネの手紙一 2.4

 

 

 

東大「5年で雇い止め」、組合反発 有期から無期へ「ルール」発動控え 朝日新聞 2017年8月24日

www.asahi.com

東京大学が、「有期契約」の教職員約4800人を最長5年で雇い止めにする規則を定めていたことが分かった。有期で5年を超えて働くと、「無期契約」への転換を求めることができる労働契約法の「5年ルール」の発動を来年4月に控え、無期転換を阻止する動きだと組合側は猛反発している。  

 

 

東大 パート5年雇い止め 労組 無期雇用へ転換要求 しんぶん赤旗 2017年8月24日

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-24/2017082415_01_1.html

東大当局は13年、5300人のパート教職員に対して5年で契約をいったん中断し、6カ月の空白期間(クーリング期間)を設定し、再び契約する制度に変更。無期転換できないようにしていました。 組合側が入手した当局の職員向け説明資料には「無期転換ルールと東大ルールは、考え方が異なる」とあり、組合側は、暗に違法性を認めた内容だと指摘しています。

 会見で、非常勤講師組合の松村比奈子委員長は「東大が労契法の趣旨に反する雇い止めを行えば、全国の非正規雇用労働者の無期転換の状況に深刻な影響を与える」と警鐘を鳴らしました。 

 

 

早稲田大学で起こった「非常勤講師雇い止め紛争」その内幕 現代ビジネス 2017.07.26

gendai.ismedia.jp

労働契約法では、事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がない場合、就業規程を作るためには「労働者の過半数を代表する者」の意見を聞かなければならない、とされている(違反すれば30万円以下の罰金が科される)。

早稲田大学には、労働者の過半数で組織する組合は存在していない。非常勤講師は教員全体の約60%を占めているが、この団交の時点では、ほとんどの非常勤講師は今回の決定を知らない状態だった。にもかかわらず大学側は、団交の場で「すでに過半数代表者の意見は聞いている」と話し、組合側を驚かせたのだった。 

 

 

<非正規雇用>無期転換トラブル法廷闘争 嘱託職員2人「立場の弱さ痛感」  河北新報 2017年08月16日

www.kahoku.co.jp

雇用の安定を目指した法改正が、逆に雇用の危機を招いた。「まさか自分が雇い止めに遭うなんて…」。宮城県内の私立大に勤務していた40代の女性嘱託職員2人が今春、仙台地裁労働審判を申し立てた。和解は成立したが、女性側は「非正規雇用の立場の弱さを痛感させられた」と法廷闘争を振り返った。

 

「突然、雇い止めに遭えば再就職の準備もできない。せめて適切な時期に誠実な説明がほしかった。非正規雇用の立場は本当に弱い」。2人は法廷闘争を終え、心境をこう語った。

 

東北大では非正規職員3243人が来年度以降、雇い止めに遭う恐れがある。同大は14年3月、雇用期間を最長5年に改め、13年4月にさかのぼって適用することを就業規則に盛り込んだ。後に期限を定めず、業務や勤務時間に制限がある「限定正職員」制度の導入を提案したが、採用規模は明らかにされておらず、全員採用される保証はない。 

 

金大 泉学寮存続へ最後の訴え 来月末で廃止予定 :北陸中日新聞Web

一九六五(昭和四十)年に金沢市野町に設置された泉学寮は、建物の老朽化を理由に、大学側が二〇二二年度末での廃寮を決定。寮生は経済的事情などを理由に反対し、昨年三月から署名活動を続けてきた。現役寮生に卒業生らが協力し、オンラインを含め約三千八百筆が集まった。
 この日は、これまで活動してきたメンバーに加え、京都大吉田寮、一橋大中和寮の学生と大学院生六人が駆けつけた。学生らは通行人や行き交う車に向かい、廃寮問題について説明。運営費や光熱費を含めて月一万円ほどの泉学寮は、困窮学生の支えとなっていることに触れ「学生の声を聞いて」などと訴えた。
 京都大吉田寮は、大学側が建物の明け渡しを求めて寮生を提訴し、現在係争中。三年の男子学生(22)は「泉学寮の廃寮は大学の管理強化が背景にあり、吉田寮と問題の根っこは同じ。横の連携を深めたい」と思いを共有する。
「大学全体がトップダウンになり、学生の生活を守ろうとしていない」

 

金沢大の廃寮問題、大学が水道停止を通知 国は「丁寧な対応」要請:朝日新聞デジタル

金沢大学が3月末に廃寮とする方針を定めている学生寮をめぐり、大学が31日午後5時に寮の電気・ガス・水道の供給を停止すると、退寮に従わない学生に通知したことがわかった。この問題は10日に国会で取り上げられ、文部科学省金沢大に「丁寧な対応を」と求めたばかり。大学は応じる姿勢を示していない。

 寮は男子寮の「泉学(せんがく)寮」(金沢市野町5丁目、1965年築)と女子寮の「白梅(はくばい)寮」(同市泉野町2丁目、64年築)。寮生によると、通知はメールで15日に森本章治副学長(教育担当)名であったという。

 

阪大非常勤講師4人“雇い止め不当”無期雇用への転換求め提訴|NHK 関西のニュース

訴えを起こしたのは、大阪大学で語学などを教えている50代から60代の非常勤講師の男女4人です。
非正規の労働者をめぐっては、同じ職場で5年を超えて働いた場合、本人が望めば契約期間の定めのない「無期雇用」に切り替えるよう義務づける改正労働契約法が施行され、5年前から適用が始まっています。
訴えによりますと、4人は、半年間や1年間の契約の更新を続け、5年を超えて勤務しており、去年2月までに、「無期雇用」への切り替えを大学に申し込みました。
しかし、大学は今年度から、非常勤講師との契約期間は、5年を上限とする契約に変更し、4人は、これまで勤務した期間を踏まえて来月末での雇い止めが決まりました。

 

これもひとつの教育劣化か…「非常勤講師の雇い止めは大問題」国立の雄・大阪大学を訴えた4人の非常勤講師の悲痛な叫び

大阪大学が、勤務する約1000人の非常勤講師を10年で雇い止めにするという今回の事態は、研究と教育の府である大学が、組織的、系統的、しかも大がかりに基本的人権を蹂躙するものです。何よりも人間の尊厳の問題と考えています」

大阪地方裁判所で3月16日、大阪大学の非常勤講師4人が「無期雇用の地位確認」を求める裁判の第1回口頭弁論が開かれた。冒頭の発言は原告の1人である女性が、意見陳述で述べた内容だ。

 

本年度より新しくクィアスタディーズ/クィア理論の講義を受講することになった学生の方々にお願いがあります。画一化・統一化されたカリキュラムに則ったクィアスタディーズ/クィア理論の講義では、おそらく「ネオリベラリズムとの親和性」だとか「ノーマティヴィティ」だとかを、まるで何か世紀の大発見であるかのように教員が得意げに(しかし一方で「彼らの罪」を嘆いて見せることも忘れないで)開陳することが十分に予想されます。なぜなら、これこそがクィアスタディーズ/クィア理論の講義を学期を通してやる場合に「間を持たせる」ための格好のトピックの一つだからです。間違えないでください。実際の現実のネオリベラリズムを解消するためではなくて、クィアスタディーズ/クィア理論の授業の「間を持たせる」ために必要なものなのです。考えてもみてください。もし「ネオリベラリズムと親和性がある」と高度な分析をしていると称している同じ大学で、非正規雇用者の雇止めが粛々と行われていたとしたら、普通に考えて、おかしいと思うでしょう? 普通に考えてください。まっとうな思考をしてください。

 

  

「あなたたち律法の専門家は不幸だ。知識の鍵を取り上げ、自分が入らないばかりか、入ろうとする人々をも妨げてきたからだ。」イエスがそこを出て行かれると、律法学者やファリサイ派の人々は激しい敵意を抱き、いろいろの問題でイエスに質問を浴びせ始め、何か言葉じりをとらえようとねらっていた。

とかくするうちに、数えきれないほどの群衆が集まって来て、足を踏み合うほどになった。イエスは、まず弟子たちに話し始められた。「ファリサイ派の人々のパン種に注意しなさい。それは偽善である。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはない。だから、あなたがたが暗闇で言ったことはみな、明るみで聞かれ、奥の間で耳にささやいたことは、屋根の上で言い広められる。」

 

 

ルカによる福音書 11.52 - 12.3 新共同訳聖書 

 

  

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